毎月の仕入予算を一定額に決めているお店

弊社では、以前、レンタルショップのCDの仕入発注の代行をやっていました。

中には、当初、月々のCDの仕入金額を一定に決めている店舗オーナーがいらっしゃいました。

CDは2ヶ月、3ヶ月先に発売されるものを事前に発注します。これをイニシャル発注と言います。

イニシャル発注時点では、どんな曲が入っているのかもよく分かりません。どんなタイアップが付くのかすら分からないものもあります。ビッグアーティストのベスト盤やオリジナルアルバムから、新人のデビューシングルまで、毎月500タイトルが発売になります。

発注したCDが入荷される月の売上予想を立てます。年末年始、GW、夏休みなど比較的売り上げの良い月には仕入も多くなります。例年売上の低い月には仕入金額をやや絞り気味にします。

複数のビッグアーティストの作品が発売される月は仕入金額が多くなりますが、売上が伸びる可能性も高くなります。
ビッグアーティストの作品がない月は仕入金額が少なくなるので、テーマを決めて特設コーナー用に作品を選択したり、在庫の少ないジャンルの補充をしたりします。少しでも売上の底上げを狙います。

イニシャル発注時点ではなく、数ヶ月先の状況を予想しながら、仕入れ計画を立てるのです。

毎月の仕入金額を100万円までにすると決めているお店は、上記の作業を省いているからなのだと思います。

2ヶ月先の売上予想を立て、売上の30%が仕入予算になります。イニシャル発注では、月の仕入の70%程度に抑えておき、残りの30%は追加発注分です。追加発注は毎週のデータを分析したうえで行うので、比較的堅いです。

例えば、売上予想が300万円の場合、仕入は30%、つまり90万円です。
そのうちの70%、63万円はイニシャル発注分、残りの27万円が追加発注分になります。

つまり、イニシャル発注は追加発注と比べると直感的です。
とは言え、個々のアーティストのこれまでの実績や、期待度、タイアップ状況など、できるだけ情報を集め分析して発注します。

従いまして、月々の仕入金額を一定に決めていると、伸びるはずの売上チャンスを逃がしてしまう恐れがあります。

これは、ネット広告などにチャレンジする際にも参考になりそうです。
売上予想というより、売上げ目標から逆算して、広告に投入する金額を決めます。
広告を出しつつ、データを分析してPDCAを回していけば安全です。
事前に予算を決めておくというのは、実情に合わないということが分かるのではないでしょうか。

 

 

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