POPを書いたことで、個々の商品の売れ行きが3倍になったとしても、、、店全体の売上がアップしないと意味が無いと考えていました。
Q:「Aという作品にこんなPOPをつけたら、これだけ沢山借りられた」と言う数字があれば教えてください。また、経営に貢献するデータ、数字について教えてください。
【回答】私のお店で、POPを書くようになったきっかけは、お客さまから質問が多いことへの回答をPOPに書くようにしたことでした。
その結果、同じ質問が少なくなったり、同じ質問がきてもPOPを見ながら説明することができるようになりました。
他にも、お客さまに聞かれたので、新譜案内を書き、入荷カレンダーを作り、タイアップ情報を書き、つまるところ、お客さまが聞きたいこと、知りたい事をPOPに書くようになりました。
その他、ジャンル表示、アーティスト名表示、特設コーナー表示、新譜表示、再入荷、推薦、話題盤、マニアックな情報などに拡大していきました。
そして、おのずとお店全体がどんどん改善されていくようになります。
【コメントPOP】=はがき半分ほどのカードにコメントを手書きしたもの。
個別作品のコメントPOPはスタッフに大量に書いてもらうようにしました。ダメ出しはあまりしないようにしました。基本はお客さんが聞きたい、知りたい事を書いてもらうことです。
すると、この店は情報発信がスゴイ、強い、早い、と評判になります。
ちなみに、閉店時に残っていたコメントPOPは、3,000枚ほどでした。(古いものはCDと一緒に処分するので)
POPは発売前、商品の発注の時から作り事前告知していました。新譜が入荷したら「入荷済み」と書き込みます。
そのため個別POPの結果は詳細にチェックしていませんでした。個々の商品がPOPを書いたことにより、どのくらい回転するようになったかというデータに特別な意味はありませんでした。スタッフは自分が書いたPOPによりどのくらい効果があったのかPOSデータをチェックしていたようです。
コンビニなどのように、ほぼ定番商品が占めているお店の場合でしたら、通常1日平均○○個売れるのに、POPを書いたら1日平均2倍売れるようになりました等のデータに意味があると思います。その場合、商品毎にPOPを増やして行けば良いですよね。
CDやDVDの場合は、新譜、新作が毎週のように入荷し、売上の70%近くを占めます。ランキング上位に上がりそうな新作には入荷日以前からPOPを用意してありますので、POPを書く前の商品回転データが存在しないのです。
そのため、全体の売り上げを左右するランキングデータ中心に、PDCA(計画、実践、検証、改善し)追加発注、在庫調整に活かしていました。
時折、特設コーナーを新設したら、そこに並べる作品のPOPを書きますけど、
その場合は、コーナーまとめての売上推移のデーターを見るようにしていました。
田中博子の新刊「古都鎌倉で30年間続いた!伝説のビデオレンタル店から学ぶ遠隔経営術」の補足